ルビィちゃんへ🍭🍭🍭
お誕生日おめでとう。
はじめてお手紙を書きます。いちきんぐといいます。
あなたのことを陰ながら応援している、一人の成人男性です。
いつもあなたの可愛らしい笑顔に癒され、あなたの力強いまなざしに勇気を貰いながら日々を過ごしています。
今日はあなたのお誕生日を祝うとともに、私の夢をあなたに伝えたくてお手紙を書きはじめました。
私の夢、それは、あなたの妹になることです。私はあなたの妹として生きていきたい。
何言ってるのかわからないと思います。順を追って説明しますね。
私は以前、あなたのお父さんになりたいと思っていました。というか勝手に、あなたが成長していく姿を、父親のような目線で見ていました。後方父親面オタクでした。
可愛くてちっちゃかったあなたが自分の力で道を切り開いていく姿を、例えば理亞ちゃんと一緒に大切な人のためにライブを企画し実行していく姿を、結婚式に臨む娘を見る父親のような気持ちで外から眺めていました。
でも今の私の気持ちはちょっと違います。
私はあなたの父親ではなく、妹になりたいんです。
ちょっとまだ何言ってるのかわからないと思います。順を追って説明しますね。
私には、アニメの中でのルビィちゃんのセリフの中で、大好きなセリフがあります。それは、2期11話の「同時に、やっぱりどうなるかわからない明日の方が、ちょっぴり楽しみでもあって」というセリフです。
千歌:楽しい時間というのは、いつもあっという間で
果南:そこにいる誰もが、この時間がずっと続けばいいのにって思ってるのに
曜:でも、やっぱり終わりは来て
ダイヤ:時が戻らないこと、もう一度同じ時間を繰り返せないことが、とても寂しく思えるけど
ルビィ:同時に、やっぱりどうなるかわからない明日の方が、ちょっぴり楽しみでもあって
花丸:ああ、これが時が進んでくってことなんだなって、実感できるずら
善子:そして気付く、きっと、二度と同じ時は無いから、この時が楽しいって思えるのかな。今こうしていることが、たった一度きりだってわかっているから、全力になれる。
梨子:いつか終わりが来ることをみんなが知っているから、終わりが来てもまた明日が来ることを知っているから
鞠莉:未来に向けて、歩き出さなきゃいけないから、みんな、笑うのだろう!
(ラブライブ!サンシャイン‼ テレビアニメ2期第11話)
私はあなたのこの言葉を最初に聞いた時、意味がよくわかりませんでした。
閉校祭という最高に楽しい時間の中にいるというのに、そしてこうやって浦女で過ごす時間はもう二度とやってこないというのに。
まさに指輪の中へ閉じ込めていつも眺めていたくなるような、そんな瞬間のはずなのに。
この日が過ぎ去ってしまえば、浦女の廃校という泣きたくなるような現実がやってくるというのに。
なのに、ルビィちゃん、あなたは明日の「方が」ちょっぴり楽しみだと言う。しかもこの上なく屈託の無い笑顔で。
なぜ?どうしてあなたは、最高の今日よりも、どうなるかわからない明日の方を望むことができるの?どうしてそんなふうに笑うことができるの?
このセリフを最初に聞いた時の私は、その感覚がよくわかりませんでした。
でもある時から、私は、その言葉を今はまだ理解できないけれど、いつか理解できるようになりたい、と思うようになりました。
どうなるかわからない明日の方がやっぱり楽しみだ、と言って笑うあなたのようになりたいと。そういうふうに心から言えるように自分もなりたい、と。
その言葉の意味はわからないけど、いや、わからないからこそ、私はあなたの笑顔に憧れを覚えたんです。あなたの笑顔がかっこいいなって、心から思ったんです。
そうしてあなたは、私の中で、成長を見守る対象から、その背中を追いかけたい憧れの人へと少しずつ変化していきました。
こうして私は、あなたの妹になりたいと思うようになったのです。
やっぱりまだ何言ってるのかわからないと思います。順を追って説明しますね。
はじめは自分の気持ちを表に出せない臆病な子だったあなたは、浦の星女学院でAqoursとして過ごす日々の中で、いろんな思いを経験しながら、少しずつ少しずつ大きくなっていきました。
そして、あなたが私の憧れへと変化してからも、あなたはどんどん前へ歩いていきました。
イタリアでのゲリラライブを成功に導き、友達の本当の願いを叶えるために行動し、3年生がいなくなった新しいAqoursのライブではAqoursの顔としてみんなの前に立った。
追いつけないなあって思います。あなたはゆっくりと歩いているようでいながら、あまりにも速く進んでいく。
私も前に進んではいます。私は、「やっぱりどうなるかわからない明日の方がちょっぴり楽しみ」だというあなたの言葉が以前よりもわかるようになりました。
例えば、東京ドームにAqoursコールが鳴り響いたとき。あるいは、メットライフドームに虹が架かったとき。そんなとき、「いまが最高!」と思うとともに、どうなるかわからない明日がちょっぴり楽しみになります。
いまが最高「なのに」明日の方が楽しみなのではなくて、最高のいまがある「から」こそ明日がもっと楽しみになる。今最高に充実した瞬間をみんなといっしょに過ごせているからこそ、たとえ明日がどうなるかわからなくても、いつか同じように最高の瞬間を作れると信じられる。その「いつか」がたまらなく楽しみに思える。
ルビィちゃんが言っていたのは、きっとこういうことなんですよね。最近の私は、それが少しだけわかってきました。
でもまだ私は、常にその実感を持っていられるわけではありません。思うようにいかないことがたびたびあって。自分の輝きを見つけたと思ってもすぐにまた見失って、自己嫌悪の淵に沈んだりして。そうやって今の自分を信じきれない私には、どうなるかわからない明日が楽しみだという感覚も、どこか陽炎のようにおぼつかなくて。
こうして3歩進んで2.8歩下がるみたいな感じで私がウロウロしている間に、ルビィちゃんはどんどん先へ進んで行きました。
だからきっと私は、あなたには追い付けないんだと思います。
でもだからといって、あなたに憧れる気持ちを捨てて後方父親面オタクに戻るということではありません。
私はあなたの姿を憧れの対象として、道しるべとして見続けたい。おそらくあなたにとってダイヤさんがそうであるように。たとえ追い付けなくてもその背中を追いかけてしまうお姉さんのような存在としてあなたのことを想っていきたい。
私はこんなふうに思っています。
だからルビィちゃん、私はあなたの妹になりたいのです。私はあなたの妹になって、あなたと同じ方向に目を向けて、どんどん先を行くあなたの背中を追いかけ続けたいのです。
あ、一応言っておきますが、小動物のような可愛いお姉ちゃんが欲しいとか、ルビィちゃんに甘えたいとか、夜更かししてるところをルビィちゃんに叱ってもらいたいとか、そういう気持ちはありませんよ。私はそんな不純な人間ではありません。本当ですよ。
え、なんで弟じゃなくて妹なのかって?
ラブライブですからね。そういうこともあります。
そういえば花丸ちゃんは昔、あなたのことを「優しくて、思いやりがあって、でも、気にしすぎな子」と言っていました。
花丸:マルと一緒に図書室で過ごしてくれたその子は、とても優しくて、とても思いやりがあって、でも、気にしすぎな子。素晴らしい夢も、キラキラした憧れも、全部胸に閉じ込めてしまう子。その胸の扉を思い切り開いてあげたいと、ずっと思っていた。中に詰まっているいっぱいの光を、世界の隅々まで照らせるようなその輝きを、大空に放ってあげたかった。それが、マルの夢だった。
(ラブライブ!サンシャイン‼ テレビアニメ第1期第4話)
あなたが身につけた強さって、周りを気にしてしまう自分を振り払って本当の気持ちを認める「素直さ」なんだろうなと私は思っています。その素直さが、あなたの中に隠されていた誰も知らないパワーを目覚めさせる鍵になったんだと思います。
他者の目線を気にして自分の本当の気持ちを圧し殺しそうになってしまう、あなたの臆病さ。優しさの裏返しでもあるような、あなたの臆病さ。それはたぶんあなたの中からずっと消えることはない。
でも、何かを変えようとするたびに付きまとってくるそんな臆病さといつも隣り合わせになりながら、そのたびにそれを乗り越えて、そうしてあなたは、優しくて臆病なあなたのままどんどん大きくなっていくのでしょう。
そんなあなたのあり方は本当にかっこよくて、綺麗で、美しい。
嗚呼、私はそんなあなたの妹になりたいのです。
さて、ここまで私の率直な気持ちを綴ってきました。綺麗な言葉じゃないかもしれないけれど、自分から出る本当の気持ちのかけらが染み透ったお手紙になるように、言葉を連ねてきました。
でも、これを書いているうちに、ふと思い始めたことがあります。ルビィちゃんは見も知らぬ成人男性からこんな「あなたの妹になりたい」なんて言われたら戸惑ってしまうかもしれないなって。なんなら怖いって思っちゃうかも。いや怖いよね。私だったらすごく怖いです。
私はあなたに感謝を伝えたいのであって、あなたを怖がらせたいわけではない。でも私は、こんな形でしか気持ちを伝えられないのです。
だから、私はやっぱりこのお手紙をあなたには出さないことにして、適当にはてなブログにでも投下しようかなと思います。
考えてみれば、私の夢をあなたに知ってもらわないといけない理由なんて無いのです。それは私のエゴでしかない。私は極めて理性的な人間なので、こんなエゴであなたを振り回してしまうことを望みません。
私はこの気持ちを抱えたまま、あなたを遠くから応援するひとりのオタクでありつづけます。
あなたの可愛らしい笑顔に癒され、あなたの力強いまなざしに勇気づけられながら、自分なりの場所で自分の輝きを追い求める。それが、妹としてあなたの背中を追いかけることだと、私は思うのです。
最後になりましたが、あらためて、ルビィちゃん、本当にお誕生日おめでとう。
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ルビィちゃんの後方妹面オタク、いちきんぐより