どうもこんにちは。今回は『ラブライブ!スーパースター‼』3期第7話の感想記事になります。
ついに、11人のLiella!の完成に向けたストーリーが動き出しましたね。今回と次回は3期の中でも最も熱い2話といっても過言ではないでしょう。
第6話で11人で歌ったことから慣れ合うようにして合流する流れも可能だったかと思います。そんな中、きちんとLiella!とトマカノーテが対決するストーリーを描くことにしてくれて、とても嬉しく感じます。
重要なのは、Liella!とトマカノーテの合流に至るまでの心情的変化をどのように描くかということ。
ということで今回は、私が第7話・第8話における心情面でのキーだと考える要素を整理しておきます。
① マルガレーテの敵対心
当然ながら、最大の焦点は3期生2人の気持ちの変化です。
マルガレーテに関しては、彼女のLiella!に対する敵対心がどのように解消されていくかということがポイントです。
マルガレーテ:私はLiella!に勝ちたい。それだけよ。
(『ラブライブ!スーパースター‼』3期第7話)
そもそもトマカノーテ結成の出発点は彼女の敵対心にありました。その敵対心の解消を視聴者にどこまで納得させる形で描けるかによって、Liella!完成のストーリーの説得力は変わってきます。
この第7話「Liella!に勝つために」の展開は、このポイントをうやむやにせずにきっちり描こうとするものです。
他方で、マルガレーテの中に確かに芽生えてきているのは、Liella!への敵対心とはまた異なった、別の気持ちのようです。
上海でLiella!とひとつになったライブができたのはなぜなのか、第7話ではマルガレーテが自問自答するような描写がありました。そして彼女の細かい表情から、Liella!と一緒に立つステージに心惹かれ始めていることがうかがえます。
冬毬:今、馴れ合ってひとつになることを、私はベストだとは思いません。マルガレーテはどうかはわかりませんが。
(『ラブライブ!スーパースター‼』3期第7話)
また、かのんが自分の傷つきに寄り添ってくれたことで、反対にマルガレーテの方もかのんに寄り添おうと思い始めたようです。
マルガレーテ:ちょっと…!かのんは…それでいいと思ってるの?
(『ラブライブ!スーパースター‼』3期第7話)
Liella!との対決を終え敵対心が解消されたなら、その時、こうした彼女の気持ちが彼女をLiella!との合流へと向かわせるのでしょう。今はまだ素直になれていないようですが……。
② 冬毬の活動の動機
次に、冬毬のスクールアイドル活動の動機の変化がどのように描かれるかもポイントです。
冬毬:私の目的は、姉者の言葉が本当かどうか確かめること。その一点のみ。
(『ラブライブ!スーパースター‼』3期第7話)
冬毬:私は、姉者を敵だと思っていません。ただ、夢を中途半端に追いかけて欲しくない。姉者の悲しむ姿は、もう見たくないですから。
(『ラブライブ!スーパースター‼』3期第7話)
冬毬がLiella!と──つまり夏美と──合流するには、冬毬が姉の夢に納得できなくてはなりません。姉の夢を冷静に見極めたいというのが、冬毬がトマカノーテにいることを選んだ理由だからです。冬毬が納得し、この理由が消失することが、冬毬のLiella!との合流の必要条件でしょう。
ここでおそらく重要なのは、その「納得」は、夢を見る力を冬毬自身が取り戻すことをも意味するだろうということです。
姉が夢を諦めてきたことによって傷ついてきたのは、冬毬自身でもあります。そして、それによって「夢を見る」ことを信じられなくなったのは、姉よりもむしろ冬毬なのだと思います。
姉の夢を再び信じられるようになったならば、冬毬自身、夢を追いかける一人の当事者として、スクールアイドル活動の新たな動機を手にしていくのではないでしょうか。
マルガレーテと同様、冬毬に関しても気持ちの変化は少しずつ描かれてきています。
第4話で姉の思いを受け取ったこと。第6話でLiella!と同じステージに立ったこと。こうしたことを通じて冬毬の中に、姉がLiella!として追いかけるものに共鳴する部分が生まれてきているようです。
次回第8話を経て、その変化はどのようにまとまっていき、どのように冬毬自身に自覚されていくのでしょうか。
③ Liella!側の感情
Liella!の8人の、もともとマルガレーテに反発を抱いていた気持ちがどのように変化する(した)のかというポイントも大事であるように思います。
つまりは、Liella!側からのトマカノーテへの接近という観点ですね。
現在、Liella!側にはもうマルガレーテへの否定的感情はほぼ無いように見えます。2期~3期1話まではLiella!マルガレーテに強く反発していたものの、3期2話のあたりからそうした様子が和らぎ始めました。ただ、こうした気持ちの変化に関して、理由の明確な描写はされていません。そのため、何かしらの描写が挟まれることを期待しています。
第7話ではきな子が冬毬とマルガレーテを気にしている様子のシーンがあったため、もしかすると何か関係してくるのかもしれません。
④ かのんの目的
最後に、かのんがトマカノーテとして活動することを選んだのは何のためだったのかという点が改めて明確にされると良いなと思っています。
マルガレーテに寄り添うためということ、Liella!との切磋琢磨の中でそれぞれを成長させるためということ、この2点ははっきりしていると思います。
しかし、かのん個人にとってどのような意味を持つのかというのは明示的には語られていません。もしトマカノーテとして活動するという選択がかのん自身のためではないとしたら、かのんはあまりにも自己犠牲的な主人公になってしまうでしょう。自分がこれまでの仲間たちとラブライブ!に出場できなくなるかもしれないという、大きなリスクを背負うわけですから。
3期第1話、かのんがマルガレーテの歌を聴いて決意を固めるシーンでは、かのんの目がキラリと輝く描写がありました。この描写から私はかのんの選択が「私を叶える」ためのものであるように感じたのですが、どうだったのでしょうか。
かのんの選択の底にある彼女自身の欲望は何だったのか。トマカノーテを選んだ選択は、かのんの「私を叶える」ための選択としてはどのように位置付くものだったのか。
「私を叶える物語」をキャッチコピーに据えた作品として、こうした点は掘り下げてくれると嬉しいなと思います。
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さて、こうしてまとめてみると、いろいろと描くべきことがありますね。すべてを掘り下げるのは難しいとは思いますが、どのようなバランスで物語がまとめられるのか、楽しみです。
結ヶ丘vs結ヶ丘、めちゃくちゃ熱い。本当にわくわくします。
マルガレーテ:さあいくわよ!Liella!に勝つんでしょ!
冬毬:Liella!に勝って、そして……!
かのん:レッツゴー!トマカノーテ!
(『ラブライブ!スーパースター‼』3期第7話)
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