どうもこんにちは。
今回は、『ラブライブ!スーパースター‼』3期第2話「トマカノーテ」の感想記事になります。
第2話は見どころがとても盛りだくさんな内容でしたね。
マルガレーテとかのんの関係性の深まりが描かれるとともに、冬毬の実質的な初登場によって鬼塚姉妹の物語も動き始めました。
あとは今回もギャグ描写がキレキレだったり…。冒頭のかのんが新スクールアイドル部の入部を拒否られるくだり、結構好きです笑
今回の感想は、その中でも、マルガレーテの変化に焦点を合わせて書きたいと思います。
今回は、マルガレーテが第2話を通してだんだんと丸くなっていくのが印象的でした。"マル"ガレーテだけに。
彼女は、かのんと近い距離で過ごす時間を通して、自分の感情を少しずつ、強がらずに素直な形で外に出すことがでふきるようになっていったように思います。
マルガレーテ:黙らないでよ、みじめな気持ちにさせたいの?
(『ラブライブ!スーパースター‼』3期第2話)
マルガレーテ:そういうことね。笑顔になりたいと思っていた場所で、不快な思いをさせたんだもんね。私のこと、嫌いにもなる。この顔を見てるだけでも、腹が立つ人もいるってことよね。
(『ラブライブ!スーパースター‼』3期第2話)
敗北を認められなかったあの時とは違う、これまでの彼女はしなかった言い方や表情ですね。
この変化について、少し補助線を引いてみましょう。
これまでのマルガレーテは、逆に、なぜあんなにトゲトゲしていたのでしょうか?
孤独。その一言に尽きると思います。
音楽学校に入学できなかった挫折感、将来への不安、そういう「弱い」気持ちを、身近な誰かに聞いてもらうことができなかった(だからSNSに自分の事情を垂れ流していたのかもしれないですね)。
弱さを誰かに受け止めてもらえないその孤独が、彼女を、他者に対して自己の強さを証明しようとする「孤高」へと育て上げたのではないでしょうか。
マルガレーテ:歌は力。私は未来を、私自身の手でビルドする!
(『ラブライブ!スーパースター‼』2期第10話)
背景として、家庭環境は大きいと思います。きっと、彼女の両親は、彼女よりも姉のほうをずっと向いてきたのでしょう。また、両親はあまり自分自身の弱音を開示することが得意ではない人達である可能性もあります。音楽家一家だというだけではなく、弱音を吐露しにくい雰囲気がある家庭であったのかもしれません。
さらに、この3期第2話で明かされたように、日本からオーストリアに移住して生活環境の変化があったことも大きいでしょう。それゆえ、かのんにとっての嵐千砂都のような存在も、おそらくマルガレーテは持ちえなかったのです。
よく似た境遇のかのんとマルガレーテ。もしかのんに千砂都がいなかったなら、もしマルガレーテに千砂都的存在がいたなら……立場は逆だったかもしれないですね。逆だったかもしれねェ…
このように孤独が奥底にあったからこそ、かのんに共感を示してもらったことが、マルガレーテにとっては大切な経験だったのではないでしょうか。
マルガレーテは、心に傷を負っていました。その傷は、おそらく一つだけではありません。
一つは、音楽学校に入学できなかった傷。もう一つは、Liella!に敗北した傷。そして、その敗北を認められないままスクールアイドルのファンたちを傷つけてしまったことも、マルガレーテ自身の心の傷となっていたのかもしれません。
かのんの共感によってトゲトゲとした「孤高」の殻が溶かされていき、マルガレーテは自分の心の傷を他者に対して見せることが、あるいは、それを自分自身で見ることができるようになっていったのだと思います。
こうして考えてみると、挿入歌Bubble Riseの詞に込められたイメージも、より理解できるようになる気がします。
Bubble Rise 光に両手を伸ばそうよ
「Bubble Rise」
傷ついた弱い存在としての自分。その実感が、海中のあぶく(bubble)というイメージにつながっています。
しかしその一方で、ただ海の暗闇にいるだけではない。私たちは希望を、つまり空を目指して海面へ上昇していく力を持っている。そう信じることもできるのは、もはや彼女が、孤独ではないからなのでしょう。
今までとは異なる、「弱さ」を拠りどころにした自己イメージを、マルガレーテは語ることができるようになったのだと言えます。もう、強がらなくていいのだと。
仲間を得たマルガレーテの変化──ラブライブ!らしい優しさのこめられた第2話だと感じました。
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Before↓
ichikingnoblog.hatenablog.com