深呼吸の時間

ラブライブとか,読書とか

Liella!ちゃんの実在について──Liella! 2ndライブ横浜公演Day2感想

3月13日、私は、Liella! 2nd LoveLive! ~What a Wonderful Dream!!~の横浜公演Day2に現地参加した。

なんと、Liella!のワンマンライブへの、初の現地参加である。

そこで今回はその感想を書いていきたいと思う。

ちなみに私はキャストはなこさゆ推しである。



1.席が良かった


非常に恐縮なことであるが、まず私は、一つの自慢から自分の感想を始めねばならない。むかついたらブラウザバックしてほしい。その自慢を私は次の一文で表現することができる。


席が、めっちゃ良かった。


それは間違いなく今までの人生で一番良い席であった。それは2階右側スタンド席の1列目、メインステージに最も近い、端の端の席だった。

図1はその模式図だ。


f:id:ichiking125:20220315023426p:plain
図1


やばくないだろうか。入場して座席に座ってからというもの、私は動揺が止まらなかった。

あまりにも、近かった。私は困った。こんな席で見るつもりで来ていないのである。Liella!ワンマン初現地。少し遠くからLiella!ちゃんを眺め、かわいかったなとほんのり思って帰る。私はその程度の心づもりだったし、双眼鏡を持ってきていたのもその心づもりの反映だった。

こちらの際までキャストが来たらアリーナ最前より近くなるではないか。え、キャストに顔が認識されるではないか。え、恥ずかしい。Liella!ちゃんの見る世界の中に私の顔が含まれてしまう。え。やめてくれ。心の準備ができていない。少なくとも、家を出る前に眉毛を整えてきてよかったと私は思った。あぶないところであった。


開演してからも私の動揺はなかなか収まらなかった。なんだかよくわからないままに表題曲「What a Wonderful Dream!!」が終わり、私の推し曲であるはずの「1.2.3!」が過ぎ去り、ようやく気持ちが落ち着いてきて素直にライブを楽しめるようになってきたのは、「水色のSunday」あたりからだ。

それにしても何なのであろう、あのLiyuuちゃんは。日傘を手にしたLiyuuちゃんが微笑むごとに私の中の動揺は消えていき、私の心に、澄み渡った静寂が訪れたのである。

その後の「Flyer's High」では、なこちゃんとともにブレードを左右に振るのが非常に楽しく、私の心はさらに解きほぐれていった。目の前で放出されるシャボン玉にもテンションが上がる。まるかった。


そしてその直後私は、この席でライブを見ることがこの上ない幸福であるということを実感することになる。


2.ペイちゃんが来た


次の曲は、お馴染み「だから僕らは鳴らすんだ!」である。

シャボン玉がまだ空中を舞っている中、ライブオリジナルの新衣装を着て登場したのは、伊達さゆりさん、青山なぎささん、ペイトン尚未さんの3人であった。3人はメインステージ両翼に広がり、クラップで客席を煽っていく。そしてこの時、ついに、私の目の前に、キャストが──具体的にはペイトン尚未さんが──やってきたのである。

4、5メートル程度の距離だろうか。その瞬間、人類で一番ペイトン尚未さんに近いのは、間違いなく私であった。

その状況を模式図にすると図2のようになる。


f:id:ichiking125:20220315152327p:plain
図2


初めて目の前で見た彼女は透き通っていて、エメラルドの宝石のようであった。

ペイトン尚未さんの顔が良いということ、私はそれを知っていた。しかし私は、今までのそれがただの知識に過ぎなかったのだと思い知らされる。私の目の前にペイトン尚未さんがいる。そして、そして、お顔が、良いのである。今やこれは知識ではなく、直観であった。

ペイトン尚未さんは、私の目の前で、シャボン玉と戯れていらっしゃった。まるで純真な子どものように、あるいは、お花畑を舞う蝶のように。そしてまた、ペイトン尚未さんは、あの濁りの無い笑顔で私に手を振ってくださった。キャストは基本的に1列目よりも2列目以降に目を向けて客席を全体的にふんわりと見るようにしていると思われるので、1列目は意外と目が合わない。だが、この時は絶対にペイトン尚未さんと目が合ったと私は思う。


嗚呼。

嗚呼。

私が受け取ったのは、ペイトン尚未さんの鮮烈な美と純真さである。

哲学者カントは、私たちの認識が対象に従うのではなく、むしろ対象の方が私たちの認識に従うのだと考えた。しかし、このわずかな時間の中で私は悟った。カントは間違っている、と。

私の魂が受け取ったものは、果たして私の認識作用によって構成されたものであろうか。それは、私の認識によってはどうにもできない、紛れも無き「実在」だったのではないだろうか。そう、ペイトン尚未さんは私を超越した他者であり、ペイトン尚未さんの美と純真さもまた、私を超越したものである。私はただ、いかなる心の能動性もなくそれを受け取るのであり、そのとき、まさしく私の認識が、私の魂が、ペイトン尚未に従うのである。


3.伊達ちゃんが来た


逐一ライブを振り返っていてはきりがないので、私のもとに訪れた最も強烈な瞬間の話をしよう。


今回のライブにおける一つの頂点は、衣装込み
での完全版の「ノンフィクション‼」であろう。

ペイトン尚未さんがノンフィクション‼衣装を着てソロを歌い、そのまま、岬なこさんと青山なぎささんのダンスバトルが、我々をヒップホップの空気へと引き込んでいく(音楽のジャンルがわからないので適当に書いている。悪しからず)。そのバトルはやがてペイトン尚未さんを中心にした3人のダンスへと変化していき、観客のクラップとともに、会場の空気が急激に高揚していく。そして暗転するステージ、止まらぬ音楽とクラップ、やがて舞台上に現れる5人の姿と、会場に響き渡る平安名すみれの声──。これほどまでに観客の心理を見事に操る演出を、私はいまだかつて経験したことがない。

初お披露目の衣装は、生地も装飾も明らかに気合いが入っている。その衣装に身を包んで行われる見事に揃った5人のダンスは、美しいと言うほかなかった。中央に階段を配した今回のステージの作りから言っても、今回のライブは「ノンフィクション‼」を中心に構成されていたと言っても過言ではない。


しかしこの日、私にとってのライブの頂点は、この「ノンフィクション‼」の先にあった。


それは「Day1」である。なぜなら、このとき、Liella!ちゃんたちが私の近くに来てくれたからだ。

Liella!の5人は、この曲の1番を、私の座っていたのとは反対側、ステージの左翼に移動して歌った。そして1番が終わると、5人は歌いながらこちら側に移動してきた(もしかすると1番の時にこっちに来たかもしれない。あまり正確な記憶が無い)。

配信で見た前日のフォーメーションを覚えていなかった私は、5人が中央で止まらずにこちらに来てくれるといいなと思いながら、それをぼんやりと見ていた。その時私は、ある重要な事実に気が付いていなかった。そしてそれに気が付いたとき、私は、私の存在が大きく揺るがされる出来事が起きつつあると悟った。


なんと、近づいてくる5人の最もこちら側に、伊達さゆりさんがいるのである。


伊達さゆりさん。

去年まで働いていた会社でつらい思いをしていた時期、私はスマホに大量に保存した伊達さゆりさんの自撮り写真を見て、毎日元気を貰っていた。しかし私は彼女を、カウントダウンライブでも遠くからしか見られず、これまで画面越しでしかしっかりと見たことがなかった。

その伊達さゆりさんが、今、5人の先頭に立って、私のところへやってこようとしているのであった。それは阿弥陀如来の来迎にも似た光景だった。こんな、こんな時が私のもとに訪れようとは。

「ノンフィクション‼」の美しさにすでに恍惚となっていた私の魂に、それは最後の打撃を与えた。感情は打ち砕かれた。私の目からは、知らぬうちに涙が溢れていた。


立ち止まった伊達さゆりさんは、正面を向き、こちらに横顔を向けて「Day1」のサビを歌い、踊る。図3はその模式図である。


f:id:ichiking125:20220315152331p:plain
図3


伊達さゆりさん。

ちっちゃかった。ちっちゃ美しかった。

そして高貴な紫色のノンフィクション‼衣装が、伊達さゆりさんに驚くほど似合っているのであった。それはまるで、精巧につくられたお人形のお姫様のようで、そのちっちゃいお姫様が、今私の目の前で、私に横顔を向けて「Day1」のダンスをかっこよく踊っていらっしゃる。

美。美。美。可愛。美。可愛。可愛。美。可愛。

もはや何も考えられなかった。私は涙を流し続けた。そこには思考も感情も無く、ただ涙だけがあった。


「感情になる」と我々はしばしば言う。しかしあの時の私は、感情よりももっと根源的な何かになっていた。そう、伊達さゆりさんそのものである。


それを主観的に模式図にすると図4のようになる。


f:id:ichiking125:20220315152335p:plain
図4


この時の伊達さゆりさんは、もはや、私にとっての認識の対象ですらなかった。なぜなら、伊達さゆりさんの接近によって、私の思考と感情は消失し、「私」というものがそこから消え去ったからである。

そして、そこにはただ、嗚呼、伊達さゆりさんの美しき現前──Präsenz──のみがあった。そして、私の涙は、私の感情からではなく、まさしく伊達さゆりさんから流れ出ていたのである。


間違いなくあの時間がこのライブ中で最も体力を持っていかれた時間であり、比喩などではなく、寿命が限りなく縮まった時間であった。私はあと1年ほどしか生きられないだろう。5人が中央に戻っていってからも、私はしばらくの間文字通り呆然自失状態になっていた。失われた私の自己は、Sunny PassionのMCやそれに続く「私のSymphony」、「Wish Song」などの長い時間をかけて、少しずつ回復していくほかなかった。

伊達さゆりさんが近くに来る。ただそれだけのことで、人の魂というものはこれほどまでに衝撃を受けるのである。



4.なこちゃんも来た


他にも、ラストの「ユニゾン」ではラスサビの時になこちゃんが私の席の方に来てくれた。

ノンフィクション‼衣装の伊達さゆりさんを経た後だったことや、お馴染みのSTART!! True dreams衣装だったこともあってこの時の私は比較的落ち着いていたのだが、本物のなこちゃんもまた、大変、かわいらしかった。

歌い終わった後には彼女はたくさん手を振ってくれた。まるってしてくれた。かわいかった。残念ながら私と目は合わなかったが、やはりあの瞬間、人類で一番なこちゃんに近かったのは私であった。癒された。ママであった。いや、より正確に言うなら、我々にとっては、先生であるかもしれない。なこちゃん先生である。


f:id:ichiking125:20220315152341p:plain
図5


なお、伊達さゆりさんも「ユニゾン」終了後に再びこちらの際まで来てくれた。やはり自分を含め伊達さゆりさんが好きな人が多いようで、伊達さゆりさんが近くに来ると観客席がざわめくのであった。


5.おわりに


もちろんこれ以外にも感想は様々にある。青山なぎささんの「微熱のワルツ」は一挙手一投足が心に染み込んでくるものだったし、「私のSymphony」⇒「Wish Song」のパッケージには、私を含む恋ちゃん推しに対する殺意が満ち溢れていた。

だが今はやはり、座席があまりにも奇跡的だったせいで、キャストが近かった!かわいかった!という理性の飛んだ感想ばかりが出てくる。とにかく近くで彼女らを見られたことが私は嬉しかった。こうした単純な感想が出てくるということこそ、現地でライブを楽しめたということの証であろう。


Liella!ちゃんワンマンライブ初現地参加でこれだけキャストに接近できたというのは、本当に神の思し召しのような気すらしてくる。

どういう思し召しか。Liella!ちゃんに堕ちろという思し召しだ。Liella!ちゃんに堕ちることが私の人生にとっての最善であると判断された神が、このように取り計らわれたのである。

今、私は無条件降伏しよう。Liella!ちゃんに自我を明け渡そう。かわいい。Liella!ちゃんはかわいいのである。嗚呼、私は、一切の知性も理性も介することなく、Liella!ちゃんの虜になった。もう駄目である。


いや、落ち着こう。私は冷静にならなくてはいけない。


実在。そう、実在だ。


2022年3月13日。これは私にとって重要な日付である。この日、私を超越した実在が、私のもとにやってきたのだ。すなわち、ペイトン尚未の実在、伊達さゆりの実在、岬なこの実在が*1

そして私は同時に、美のイデアという実在をも見ていたのかもしれない。自分の4、5メートル先くらいに。美のイデアは、目に見えるのだ*2



あれは現実だったのだろうか。2日が経った今、私は思う。

嗚呼岬なこよ、教えてほしい。

岬なこよ──私は夢を見ていたのではあるまいか?




* * * おわり * * *


P.S.
IQ低い感想を少し書いた後にちゃんとIQ高い感想を続けようと思っていたら、IQ低い感想だけで文字数がそれなりにいってしまいました。本当は1日目の伊達さゆりさんの「青空を待ってる」に言及したMCとか2日目にみんなが「夢」について触れていたMCとかに関して何か書きたかったんですけど、いったんここで筆を置きます。感想第2弾を書くかもしれないし書かないかもしれません。
てかLiella!ちゃんって本当にデビューから1年経ってないんですか?なんでこんなすごいの?

*1:青山なぎささんとLiyuuちゃんはがっつり近くには来てくれませんでした。あとサニパの吉武千颯さんは近くで踊ってくれて超楽しかったです。

*2:特にノンフィクション‼衣装パートはまじで美のイデア見えました。ちなみにイデアとは、デジタル大辞泉の説明を借りれば次のようなものです。「プラトン哲学で、時空を超越した非物体的、絶対的な永遠の実在。感覚的世界の個物の原型とされ、純粋な理性的思考によって認識できるとされる。中世のキリスト教神学では諸物の原型として神の中に存在するとされ、……」イデアとは何? Weblio辞書